集まりたくなるような、心地良い空間を。
未来を想像して、
いま、私たちができること。
MIO and SHUNYA
Dialogue
古くからの友人を自分たちの
“好き”で詰まった自宅に招き入れ、
リビングで気兼ねなくワイワイ
できるような空間にしたい。
すでに決められてるものから選ぶのではなく、
堅苦しい時間でもなく——。
2023年3月、
隼也(しゅんや)さんと澪央(みお)さんが
CASOで結婚式を挙げられました。
ウェディングテーマは「ima / 居間」。
結婚式当日、
グリーン・ベージュ・ホワイトの3色が
絶妙なアクセントとなりながら
モダンに構築されたシックな空間には、
「居間」をイメージしたスペースも備え、
ゲストも新郎新婦も共にリラックスした
穏やかな時間に。
隼也さん・澪央さんのご自宅で、
CASOでの結婚式を思い出しながら、
現在の暮らしやこれからについて伺いました。
STORY 01
いちばんの魅力は「何もないこと」
——いま隼也さんは住宅設計のお仕事をされているそうですが、幼い頃からそういったことに関心があったんですか。
隼也さん(以下敬称略):家とか部屋にはすごく興味がありましたね。いっとき毎週部屋の模様替えをするくらい(笑)。そういう流れで大学の建築学科に入って、いろいろしているうちに今の会社にいるって感じです。家具作りも好きなんですが、作りすぎて澪央には「もう作ってくれるな」って言われています(笑)。
——(笑)。
隼也:たぶん僕は凝り性なんだと思います。好きなものをすごく深く調べるタイプというか。
——澪央さんは学生時代からアパレル業界で販売員を続けられていると伺いました。
澪央さん(以下敬称略):思えばこの業界には10年くらいいますね。母によると私は幼い頃から着飾ることが好きな子で「この服着たい ! 」って主張してたみたいです。
——その思いが、いまのお仕事に繋がってるんですね。さきほど隼也さんはご自身を「凝り性」と言われていますが、澪央さんは自分をどんな性格だと思いますか。
澪央:うーん、頑固なのかなあ…。
隼也:頑固です(笑)。
澪央:(笑)。ちょっと隼也くんと似てるかもしれないですね。どうでもいいとこは「まあ、それでもいいよね」って人の意見を聞いたりするけど、こだわるところにはしっかりこだわるというか。
——「凝り性」と「頑固」、わりと似ているような気がしますね。
お二人は小、中学校の同級生で、その後20歳で再会。そこからお付き合いをされて2021年1月に結婚されました。
隼也:コロナ禍に入って、澪央と半同棲とまではいかないけどそういう暮らし方をしているときに、このまま一緒に暮らすんだろうなって想像ができたんですね。結婚という意識より、たぶんずっと一緒にいるよねって。
澪央:うんうん。二人で暮らし始めても特に嫌なこともなくて、自然なまま一緒にいられるなって実感ができたから私もこのまま結婚するんだろうな、籍入れるかなって感覚でした。
——その頃、結婚式について話し合ったりされましたか。
隼也:お互い地元同士の仲間とか知り合いも多いから結婚式みたいな形式張ったものじゃなくて、みんなに「結婚したよ」って伝える機会は欲しいな、くらいはありました。でもコロナ禍真っ只中だったのでちょっと落ち着いてからでもいいかなって。
澪央:私も結婚式自体にすごく憧れがあったわけではなくて、隼也くんと同じように友だちとかみんなで集まってワイワイできたらいいなくらいで、タイミングはどこでもよかったですね。
——お二人は入籍から2年後の2023年に結婚式を挙げられますね。
隼也:コロナもだんだん落ち着いてきたから、この時期くらいにやりたいねって話にはなりました。会場を本格的に探してはみたものの、もともとのイメージ——形式ばった結婚式ではなくて、みんなでテーブルを囲む食事会のようなアットホームな雰囲気でやれたらいいなって思っていたけど、そんなところってなかなかなくて。
澪央:その頃にインスタでCASOを見つけたんです。こんな白い空間で結婚式 ? めちゃくちゃ素敵。あっ、ここ大阪にあるんだ、ここいいかもって。
隼也:自分たちの好きなテイストが詰まった仮想の家みたいにできるのが理想だったので、すぐCASOに飛びつきました(笑)。
——形式張ったものではなく、もっと身近な場所を作り上げられると思われたと。実際にCASOに訪れてどんな印象を受けましたか。
澪央:初めは私一人でCASOのウエディングイベントに行きました。本当に真っ白な空間だから置く物ですごく印象が変わるんだなって。そこが面白かったし、自分たち仕様にしやすいなって思いました。それを写真と共に隼也くんに伝えて、ここでしようってなりました。
——隼也さんはお仕事柄たくさんの家や空間を見られてきたと思いますが、その観点からCASOの空間の魅力ってどこだと思いますか。
隼也:何もないことがいちばんの魅力ですね。内装とか家具とかすでにあるものの中でやろうとすると式自体が似てくると思うんです。でもCASOの結婚式ってどれを取ってもみんな違う印象を受けるから、そこが面白さじゃないかなと。僕自身、作るのが好きなのでそういうところにワクワクしましたね。
STORY 02
準備はこの先を考るきっかけに
——会場をCASOに決められたのは挙式のどれくらい前でしたか。
隼也:半年前でした。
澪央:結構ギリギリでしたね(笑)。
——そこからウェディングプランナーの菅田(貴子)さんとの打ち合わせを進めたわけですね。
隼也:まず最初の打ち合わせで「コンセプトを決めよう」と菅田さんから提案をいただきました。いま思うと、それがすごくよかったというか。澪央と「どんな一日にしたいか」について深く考えるきっかけにもなりましたし、結果「ima / 居間」というテーマも生まれたので。
澪央:本当にそう。
隼也:準備中にお互い自分たちが結婚式に向けて思っていることをパッと書く一冊のノートを作っていて、その日も夜二人であれこれ考えてて、僕が先に寝て朝起きたらノートに「ima / 居間、今」って書いてあったんです(笑)。
澪央:夜な夜な書きました(笑)。
隼也:バッチリというか「これだ ! 」って。その後は僕がその言葉を膨らませていって今回のテーマになりました。
——ゲストの方にお渡しした冊子に、その思いを綴られていますね。
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私たちは将来、CASOのような白い空間に自分達のこだわりを詰め込んだ居間で皆さんをもてないしたいという夢があります。この結婚式では今の私たちが1つ1つこだわった理想の居間で皆さんと一緒に美味しい食事を囲みながら団らんできればと考えております。
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隼也:実は当初、本当にコンセプトに忠実にと思って、理想の居間を再現しようとしたんです。お気に入りの家具を用意して、みんながくつろげるようなものをたくさん置こうかなとかと思ってたんですけど…
澪央:(笑)。同意するところももちろんありつつ、でも現実的にそれを実際に落と込むのはちょっと難しくないかと思いました(笑)。だからコンセプトは大切にしながらも空間の装飾はやり過ぎず、そぎ落とせるところはそぎ落とした方がいいよねって伝えました。
隼也:きっと僕はインテリアを含めて足し算をしようとしてたんです。あれもこれも入れたいって。でも澪央がいたからこそ空間が洗練されたというか、引くところをもっと大事にした方がいいんだなって感じました。
——装飾の色使いもシンプルでありながら、それぞれの色が引き立っている印象を受けます。
隼也:準備の途中で式のテーマ色みたいなものも決めました。濃いグリーン、薄い木の色、白と、この3色でできるだけまとめることにしたんです。装飾もそうですし小物やブーケもあまり色を入れ過ぎるんじゃなくてその3色を軸に考えていこうと。
澪央:その過程で私は普段ものを選ぶときに実はこの3色で選んでたんだなってハッとしました。実際にものごとを決めるときに自分ってこうだったんだと気付かされる機会でもありましたね。
——準備期間が急ピッチゆえにお二人が衝突されたことなどありましたか。
隼也:ありましたね。あるんですけど澪央とは付き合いが長いのでお互い遠慮とかはないんです。はたから見たら「ちょっと大丈夫?」ってくらいめちゃくちゃ喧嘩してるように見えても別にそうじゃなくお互い主張してるだけ。雰囲気が悪くなっても寝たら次の日には笑ってるとか全然あるので。
澪央:そうそう(笑)。
——その切り替えが準備にいい影響を与えそうですよね。小学校時代からお知り合いのお二人ですが、お互いこの式を通して新しい発見は何かありましたか。
隼也:結婚式をする前はお互いの好みってすごく一緒なんだろうなって思ってたけど、いろいろ話したり決めていくと微妙に違うというか。同じ好きの中でも深掘りしていくと新しい面を知れて、より二人の好きが鮮明になったと思います。こういう機会がなかったらそういうことはないんだろうなって。
澪央:私は、隼也くんは「締めるところはきちんと締める」みたいなことを感じましたね。形式ばったウエディングは嫌だけど、みなさんに渡す引き出物を一つ選ぶにしても結構カチッとしたいタイプなんだなとか(笑)。
——押さえるところは押さえておくみたいな。
澪央:CASOは形式張った感じではないからもうちょっとラフ寄りというか、ちょっと崩すかなって思ってけど、そこはそうなんだっていう意外な一面を知りました。
隼也:思えば菅田さんと一緒に準備を重ねるたびに、お互いの新しい一面を知れていたのかもしれません。夫婦で人生のコンセプトを決めるとか、夫婦でこういう暮らし方をしたいね、とか。そういうじっくり考える機会ってなかなかないと思うので。
澪央:この先のことをいい意味で考えさせられるきっかけになったというか。
隼也:たぶん一般的な式場で挙げてたらそういう機会ってあまりないと思うんです。菅田さんからは「打ち合わせも含めて楽しんで」っていう言葉をもらっていて、まさにそんな時間でした。
澪央:半年しか準備期間がなかったので一回一回の打ち合わせもすごく綿密にしてくださってたんだと思うんですけど、いい意味でユルく雑談もしながらできてたのでその過程も楽しかったですね。
STORY 03
帰りたくなる家を二人で
——いよいよ式当日。完成した会場をご覧になられてどんな気持ちでしたか。
隼也:実は前日まで不安だったんです。あらためて大きな会場だな、うまくいくのかなって。でも完成した空間を見たら「うわっ、イメージ通りだ」ってワクワクしました。
澪央:「こんな結婚式、来たことない ! 」って言ってくれた友人も何人かいて。
——最高のほめ言葉ですね。
隼也:「僕たちらしい」っていう言葉も多かったですね。ゲストを家族単位で呼んでいたこともあり、それもうれしかったと言葉をもらいました。もともとご飯を囲みながらみんなで団らんするっていうテーマでもあったし、将来も絶対家族ぐるみで会いたいと思ってた人たちなので、できるだけ家族単位で招待させてもらいました。
――式から1年、いまあの日をどんな思いで振り返っていますか。
隼也:式当日は正直すごくあっという間でゆっくりする間もなく終わっちゃったなって感じでしたが、式を挙げるための過程が純粋に楽しかったなと。自分たちがあの空間を作ったのは間違いないんですけど「幻だったっけ」っていうくらい夢の空間でした。
澪央:うんうん。そうやって今の私たちの感覚だったり、これやりたい、あれやりたいっていう思いを一つのかたちとして表現できてうれしかったですし、それを写真にも残せられたこともよかったですね。
隼也:確かに。
澪央:そう言えば少し前、これから結婚式する友だちに「CASOめちゃくちゃいいよ ! 」っておすすめしたら「澪央みたいにできる自信がない」って言われたんです。CASOは空間作りはもちろん自分たちで一日のスケジュールも組めるので、そういう自由さ、自分たちらしさに重きを置いて、あれやりたい、これやりたいって私たちが思えたから最高に楽しめたのかなって思います。もちろん本当にいろいろな方々のご協力があってこそなのですが。CASOって空間の自由さについ目が行きがちですけど、「こういう空間にしたい」とはっきりとしたイメージがなくても、一日を使っていろんなことをやってみたいと思う人にもすごく向いてると思いますね。
隼也:いま振り返ると、自分たちが主担当で菅田さんをはじめサポートしてくださる人たちで結婚式という一つのプロジェクトをやり遂げたみたいな気持ちが強いですね。だからか不思議とそういう方たちと、この先も何かの縁で繋がったりすることもあるんだろうなっていう気持ちにもなっています。
——今日は普段生活されているお部屋におじゃまさせていただいていますが、緑が多いお部屋ですよね。
隼也:結婚式で飾ったものも何点かありますね。二人とも観葉植物好きなんです。
——なるほど。だからこそCASOに空間を置き換えても植物との相性がうまく調和されていたんだと…。
澪央:いやいや、私たちは植物を含め装飾はテイストだけお伝えしたというか、それを表現してくれたみなさんが本当に頼もしい存在でした。私たちだけであの空間は到底実現できなかったと思います。
——休日はここでどのように過ごされていますか。
隼也:わりとダラダラしてますね(笑)。
澪央:(笑)。
隼也:出かけたら自分たちが好きなものを見に行ったり買い物したり、美味しいものを食べたりしてます。
——いま、お二人はどんなときに幸せを感じられますか。
隼也:たぶんお互いゲラ(よく笑う人)なんです。
澪央:あはは(笑)。
隼也:こんな感じで(笑)。結婚式もめちゃくちゃ笑ったなっていう印象があって、私生活でも怒ってる数秒後には爆笑してるみたいな。しょうもないけど笑ってるのがなんかいいな、幸せだなって思いますね。
澪央:私は例えば一緒に雑貨屋さんに行って「あれどう?」「ああ、いいかも」って話したりして、それって本当に何気ないんですけど、好きなものを一緒に見ているときに幸せだなって感じます。
——最後にこれからお二人で歩みたい暮らしを教えてください。
隼也:ある意味、結婚式のテーマにすごく忠実にというか、将来は自分たちの好きなものを詰め込んだ空間を作って、みんなを呼んでワイワイしたいですね。
澪央:そうだね。さっき言わせてもらったように、特別なことはしなくていいというか。それより普段生活をしていて一緒に何かを見に行ったりしながら、将来の家を想像しつつ、二人でいろんなものを集めたりして、そのときそのときでバージョンアップさせながら帰りたくなる家を二人で作っていきたいと思っています。
Interview & Words: Hiroyuki Funayose
Interview Photo: Momoe Nakao
Wedding Photo: Taku Yamamoto
MIO&SHUNYA wedding
2023年春。暖かい日差しが感じ始められた頃、澪央さんと隼也さんの結婚式が執り行われました。初めてお会いした日からお二人の将来の夢のお話を何度となく聞かせて頂きました。いつの日か譲り受け住むだろう1軒のお家のお話。